2026年の金利環境:変動金利は今どのくらい上がっている?

日本銀行は2024年3月に大規模緩和政策を修正し、同年7月に政策金利を0.25%に引き上げ。2025〜2026年にかけてもさらなる引き上げが実施・予定されています(2026年6月時点。最新の政策金利は日本銀行の公式サイトでご確認ください)。

時期 日銀政策金利(無担保コール翌日物) 主要ネット銀行の変動金利(目安)
2023年まで ▲0.1%(マイナス金利) 0.2〜0.3%前後
2024年3月 0〜0.1%(マイナス金利解除) 変動開始
2024年7月 0.25%に引き上げ 0.4〜0.6%前後に上昇
2026年6月(目安) 0.5〜1.0%程度(変動中) 0.5〜1.0%程度(金融機関により大きく異なる)
最新情報の確認を:住宅ローン金利は毎月変動します。上記はあくまで参考値です。実際に検討する際は各金融機関の最新金利を必ずご確認ください(2026年6月時点)。

変動金利と固定金利の基本的な違い

比較項目 変動金利 固定金利(全期間固定)
金利の変動 半年ごとに金利が見直される 返済終了まで固定
初期の金利水準(目安) 低め(0.4〜1.0%程度) 高め(1.5〜2.5%程度)
将来の返済額 金利上昇で増加する可能性 変わらない(計画が立てやすい)
金利上昇リスク あり(未来は不確実) なし(全期間固定の場合)
金利が下がった場合 返済額が減る 変わらない
繰り上げ返済との相性 金利上昇時は特に有効 長期固定なので比較的自由

変動金利のリスク:金利が上がると月々の返済はどう変わる?

変動金利型の多くは「元利均等返済・5年ルール・125%ルール」が適用されます。

5年ルール・125%ルールとは:変動金利でも5年間は毎月の返済額が変わらない仕組み(5年ルール)。5年ごとの見直しでも前回の125%を超えて返済額が増えない仕組み(125%ルール)。ただし、未払い利息が発生するリスクがある点に注意。金融機関によってこのルールが適用されない場合もあります(2026年6月時点)。

借入3,000万円・35年返済のシミュレーション(月々の返済額の目安)

変動金利水準 月々の返済額(概算) 現在(0.6%)との差額
0.6%(現在の目安) 約78,600円
1.5%(+0.9%上昇) 約91,400円 月+約12,800円
2.0%(+1.4%上昇) 約98,900円 月+約20,300円
3.0%(+2.4%上昇) 約115,500円 月+約36,900円

変動金利が1%上昇するだけで、月の返済額が約1〜1.5万円増える計算です。「月2万円増えても払える余裕があるか」が変動金利選択の最重要チェックポイントです。

固定金利のメリット・デメリット

全期間固定金利(フラット35等)は金利変動リスクをゼロにできる代わりに、初期の金利が変動より高くなります。

メリット:毎月の返済額が確定し家計計画が立てやすい

金利がどう動いても返済額は変わらないため、教育費・老後資金との兼ね合いで長期計画を立てやすい。金利上昇が続く局面ほど、固定の安心感が際立ちます。

メリット:精神的なストレスが少ない

日銀の利上げニュースのたびに「自分のローンは大丈夫か」と不安になる必要がない。精神的な安定は金銭的価値に換算しにくいですが、生活の質に影響します。

×

デメリット:金利が下がっても恩恵を受けない

全期間固定で返済中に政策金利が再度下がった場合、借り換えしなければ低金利の恩恵を受けられません。

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デメリット:初期の金利が高く利息総額が大きくなりやすい

変動金利が今後大きく上がらなかった場合、固定金利で払い続けた方が総利息が多くなる結果になります。

変動vs固定、利息総額の比較シミュレーション

借入3,000万円・35年返済の利息総額比較(概算)

シナリオ 金利設定 利息総額(概算) 変動(0.6%固定想定)との差
変動・金利変化なし 0.6%固定想定 約337万円 —(基準)
固定(フラット35等) 2.0%固定 約1,160万円 約+823万円
変動・途中で1.5%に上昇(15年後) 0.6%→1.5%(段階的) 約600万円(推計) 約+263万円
変動・途中で2.5%に上昇(10年後) 0.6%→2.5%(段階的) 約900万円(推計) 約+563万円

変動金利が現在水準のまま推移し続けるなら利息は圧倒的に少なくなりますが、現実には今後の金利動向は不確実です。上記はあくまで概算の参考値です。

どちらを選ぶべき?5つの判断基準

1

金利が2%になっても返済できるか試算する

変動を選ぶ場合、金利が2〜3%になった想定で月々の返済額を試算し、それでも家計が回るかを確認します。回らないなら変動は危険信号です。

2

返済期間の長さとライフイベントを確認する

35年返済の場合、その間に子どもの教育費・老後準備・親の介護など多くのイベントが重なります。期間が長いほど「予測不能な支出リスク」は高まります。

3

手元資金の余裕度を確認する

変動金利を選ぶなら、金利上昇時の繰り上げ返済や返済額増加に備えた「バッファー資金」を持っていることが前提です。

4

ミックスローン(変動+固定)という選択肢も

借入額の一部を変動・一部を固定にする「ミックスローン」も一つの手です。リスクを分散しながら低金利の恩恵も一部受けられます。

5

「精神的に安心できる方」を優先する

金利が毎月気になって眠れない方は、たとえ固定が割高でも安心感のコストとして支払う価値があります。

既存の変動金利ローン保有者が今すべきこと

確認・対応事項 内容
現在の借入金利・残高の確認 借入残高・現在適用金利・残返済期間を把握する
金利上昇時の返済額シミュレーション 金利が+1%・+2%になった場合の月々の返済額を試算する
固定金利への借り換え検討 残期間・残高・現在の固定金利を比較して損益分岐点を試算
繰り上げ返済の検討 手元資金と住宅ローン控除残年数を考慮して効果を試算
家計のバッファー確認 金利上昇に備えた余剰資金(生活費6か月分以上)を確保
ライフアセットオフィス FP
ライフアセットオフィス FP

「変動か固定か」は人それぞれの答えがある問いです。FPとして断言できるのは「今の金利水準でどちらが安いかだけで決めてはいけない」ということです。重要なのは「金利が最悪のシナリオになっても家計が維持できるか」です。そのストレステストが通れば変動、通らなければ固定または借入額を減らすことを検討してください。

まとめ:2026年は「金利上昇に耐えられるか」の確認が最優先

✅ この記事のポイント

  • 日銀の利上げにより変動金利は2024〜2026年にかけて上昇傾向。最新金利は各金融機関で確認
  • 変動金利は初期コストが低いが金利上昇リスクあり。固定は安定する代わり初期金利が高い
  • 借入3,000万円で金利が1%上がると月返済額は約1〜1.5万円増加(概算)
  • 変動を選ぶ場合は「金利が2〜3%になっても返済できるか」のストレステストが必須
  • 既存ローン保有者は残高・残期間・現在金利を確認し、繰り上げ返済や借り換えを検討

数値・金利は2026年6月時点の参考値です。最新の金利情報は各金融機関・フラット35については住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・取引を勧誘するものではありません。個々の状況に応じた判断はFP・税理士等の専門家にご相談ください。数値・制度情報は2026年6月時点のものです。