住宅ローン

住宅ローン変動金利が2026年9月に上昇
三菱UFJ・三井住友が引き上げ
今後の見通しをFPが解説

2026年9月9日読了約15分Life Asset FP編集部
三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、2026年9月に適用する住宅ローンの変動金利(契約者の多くが選ぶ最優遇金利)を、前月から0.25%引き上げると発表しました。三菱UFJ銀行は1.195%、三井住友銀行は1.525%となり、両行の引き上げは2026年3月以来6か月ぶりです。一方、みずほ銀行(1.025%)とりそな銀行(0.950%)は9月も金利を据え置いています。

さらに9月17〜18日には日銀の金融政策決定会合が開かれ、市場では追加利上げの観測も出ています。

この記事では、今回の引き上げの中身、変動金利が上がっても返済額がすぐには変わらない仕組み、金利が0.25%上がった場合の総返済額の試算、そして固定への借り換えや繰り上げ返済という選択肢を、公表資料・報道をもとにFPが整理します。

何が起きたのか:2026年9月の金利改定

各金融機関は毎月、住宅ローンの店頭表示金利(基準金利)を見直し、そこから独自の優遇幅を引いた金利を「変動金利」として提示しています。2026年8月31日、大手銀行各行が2026年9月に適用する金利を発表し、三菱UFJ銀行と三井住友銀行が変動型の最優遇金利を前月比+0.25%引き上げることが明らかになりました。

金融機関2026年9月の変動金利(最優遇)前月からの変化
三菱UFJ銀行1.195%+0.25%(引き上げ)
三井住友銀行1.525%+0.25%(引き上げ)
みずほ銀行1.025%据え置き
りそな銀行0.950%据え置き
ポイント:大手銀行のうち変動金利を引き上げたのは三菱UFJ・三井住友の2行で、他の銀行は9月時点で据え置きとなりました。両行の店頭金利の引き上げは2026年3月以来、約6か月ぶりです。なお、実際に個々の契約者に適用される金利は、ここに各行独自の「金利引き下げ幅(優遇幅)」を差し引いたものになるため、店頭金利がそのまま適用金利になるわけではありません。

あわせて、10年固定型の最優遇金利についても、大手行が軒並み引き上げています。長期金利の上昇を反映したもので、変動・固定の両方で金利水準が切り上がっている局面といえます。

なぜ今上がったのか:日銀の政策金利との関係

変動金利の水準は、日銀の金融政策と密接に連動しています。当サイトの前回記事で解説した通り、日銀は2026年6月の会合で政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げ、続く7月会合では2会合連続の利上げを見送り、1.0%に据え置きました。今回の変動金利引き上げは、この6月の利上げ分が波及した結果です。

波及の順番を整理すると、次のようになります。

つまり今回の引き上げは「日銀が7月に何かを決めたから」ではなく、6月の利上げが半年遅れで波及してきたものです。この時間差を理解しておくと、ニュースの見出しに振り回されずに済みます。

次の焦点:2026年9月17〜18日には日銀の金融政策決定会合が開かれ、結果は18日に公表される予定です。報道では市場が織り込む追加利上げの確率が高まっているとされていますが、会合の結果は本記事執筆時点(2026年9月9日)ではまだ判明していません。仮に追加利上げが決定された場合、その影響が変動金利に反映されるのは、今回と同様に短期プライムレートの改定を経て、数か月先になる見込みです。

金利が上がっても返済額はすぐ変わらない仕組み

「変動金利が上がった」と聞くと、翌月から返済額が増えると考えがちですが、実際はそう単純ではありません。多くの変動金利型住宅ローンには「5年ルール」と「125%ルール」という2つの仕組みが組み込まれています。読者が最も誤解しやすいポイントなので、丁寧に解説します。

5年ルール:返済額の見直しは5年に1度

変動金利型ローンの多くは、適用金利そのものは半年ごと(4月・10月など)に見直される一方、毎月の返済額は5年に1度しか見直されません。つまり金利が上がっても、次の5年目の見直しタイミングが来るまでは、毎月の返済額の「金額」自体は変わらないのが一般的です。

125%ルール:見直し後も上げ幅に上限

5年に1度の見直しが来ても、新しい返済額は見直し前の返済額の125%(1.25倍)を超えないという上限が設けられています。急激な負担増から契約者を守るための仕組みです。

注意(未払利息のリスク):5年ルール・125%ルールは「返済額の急上昇」を抑える仕組みであり、金利上昇そのものをなくす仕組みではありません。金利が大きく上がった場合、毎月の返済額のうち利息にあてられる部分が増え、元金の返済が進みにくくなります。さらに金利上昇が返済額の上限を超えるほど大きい場合、その月の利息を返済額だけでは払いきれず、不足分が「未払利息」としてローン残高に上乗せされるケースもあり得ます。未払利息が積み上がると、返済が進んでいるつもりでも元金がなかなか減らない、という事態につながります。

なお、5年ルール・125%ルールはすべての金融機関・すべての商品で一律に採用されているわけではありません。一部のネット銀行など、これらのルールを設けていない、または内容が異なる商品もあります。ご自身の契約でどのようなルールが適用されているかは、金銭消費貸借契約書や金融機関のウェブサイトで確認しておくことをおすすめします。

0.25%上昇で総返済額はいくら増えるか(試算)

返済額がすぐには変わらないとしても、金利が上がれば長期的な負担は増えます。ここでは、これから3,000万円を35年で新規に借り入れるケースを例に、金利が1.00%から1.25%(+0.25%)へ上がった場合の影響を、元利均等返済の計算式で試算します。

試算例(借入3,000万円・返済期間35年・元利均等返済・ボーナス払いなし)

金利1.00%の場合:毎月の返済額 84,686円(総返済額 約35,568,000円

金利1.25%(+0.25%)の場合:毎月の返済額 88,226円(総返済額 約37,055,000円

差額:毎月+3,540円・総返済額で約149万円の増加

0.25%という数字だけを見ると小さく感じますが、35年という長期間・3,000万円という借入額では、総返済額ベースで100万円を超える差になります。借入額が大きいほど、また返済期間が長いほど、同じ0.25%の上昇でも影響額は大きくなる点に注意が必要です。

なお前章で解説した通り、既に借り入れている変動金利型ローンでは、5年ルールにより返済額の変化がこの通りに即座に表れるわけではありません。上記はあくまで「金利差そのものが総支払額にどれだけ影響するか」を示す試算であり、実際の返済スケジュールは契約内容によって異なります。

金利上昇時の返済額を確認

借入額・期間・金利を入力して、金利が変わった場合の返済額の変化を試算できます。

返済額の変化を試算する →

固定金利への借り換えを考える材料

変動金利の上昇局面では「固定金利に借り換えたほうがよいのでは」という声も出てきます。ただし、どちらが有利かは各世帯の状況によって異なり、一律の正解はありません。判断材料として次の点が挙げられます。

固定金利に切り替えると、多くの場合当初の返済額は上がります。その差額を「将来の金利上昇に備える保険料」として受け入れられるかどうかが、判断の分かれ目になります。感覚だけで決めず、変動を続けた場合・固定に切り替えた場合の両方で返済額を試算し、数字で比較することが有効です。

繰り上げ返済という選択肢

金利上昇局面でもう一つ検討の余地があるのが繰り上げ返済です。手元資金に余裕がある場合、元金の一部を前倒しで返済することで、その後にかかる利息負担を軽減できます。

繰り上げ返済には主に「期間短縮型」(返済期間を短くする)と「返済額軽減型」(毎月の返済額を減らす)の2種類があります。金利上昇局面では、利息負担そのものを減らす効果が大きい期間短縮型を選ぶ人が多い傾向にありますが、家計の状況によっては毎月の返済額を減らす返済額軽減型が合う場合もあります。

繰り上げ返済を検討する際は、手数料の有無(金融機関やタイミングによって無料の場合と有料の場合があります)と、手元に残す生活防衛資金(急な出費に備える資金)とのバランスを確認することが重要です。繰り上げ返済に資金を回しすぎて、生活資金が不足しては本末転倒です。

繰り上げ返済でどの程度利息を減らせるか、またどのタイミングで実行するのが効果的かは、借入残高・残期間・金利によって変わります。具体的な効果は数字で確認することをおすすめします。

よくある質問

Q. 変動金利が上がったので、来月から自分の返済額も上がりますか?

A. 多くの変動金利型ローンでは、金利自体は半年ごとに見直されますが、毎月の返済額の見直しは5年に1度(5年ルール)です。そのため、金利が上がってもすぐに返済額が変わるとは限りません。ただし、返済額の内訳で利息が占める割合は増えていくため、元金の減り方には影響が出ます。契約中の金融機関の見直しルール・時期は、契約書や金融機関の案内で確認できます。

Q. 三菱UFJ・三井住友以外の銀行を利用していますが、金利は上がりますか?

A. 2026年9月時点では、みずほ銀行・りそな銀行は変動金利を据え置いています。金利の改定タイミング・方針は金融機関ごとに異なるため、ご自身が契約している金融機関の発表を確認する必要があります。今後の日銀の金融政策次第で、他行も追随する可能性はありますが、時期は金融機関ごとに異なります。

Q. 9月18日の日銀会合で利上げが決まったら、変動金利はさらに上がりますか?

A. 会合の結果によって変わるため、本記事執筆時点(2026年9月9日)では断定できません。仮に追加利上げが決定された場合も、今回の引き上げと同様に、短期プライムレートの改定を経て住宅ローン金利に反映されるまでには一定の時間がかかる見込みです。会合結果は日本銀行の公式発表でご確認ください。

Q. 今のうちに固定金利へ切り替えるべきですか?

A. 一律の正解はありません。判断には、残りの返済期間・借入残高・家計の金利上昇への耐性・現時点の固定金利の水準を総合的に見る必要があります。固定に切り替えると当初の返済額は上がるのが一般的で、その差額を「金利上昇への備え」としてどう評価するかが判断のポイントになります。複数のシナリオで返済額を試算し、数字で比較することをおすすめします。

Q. 未払利息はどの程度のリスクがありますか?

A. 未払利息は、金利が急激に上昇し、毎月の返済額ではその月の利息すら払いきれない状態になったときに発生しうるものです。今回のような0.25%刻みの緩やかな上昇では、通常はすぐに発生するものではありませんが、契約内容によって仕組みが異なるため、ご自身の契約における5年ルール・125%ルールの有無と内容を確認しておくことが安心につながります。

今回のメガバンクの引き上げは、日銀が6月に決めた利上げが半年遅れで波及した結果であり、9月18日の会合次第では次の波及もあり得ます。変動金利は「今の返済額」だけでなく「仕組み」を理解しておくことで、金利のニュースを見たときに慌てず状況を把握できます。まずはご自身の借入条件(金利見直し時期・5年ルールの有無)を確認し、必要に応じて試算で数字を確かめることが、次の一手を考える出発点になります。

FP
Life Asset FP編集部

住宅ローン・資産運用・老後資金・金融政策の読み解きなど、暮らしに直結するお金の知識を発信しています。特定の金融商品の販売・仲介は行っておりません。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・借り換え・投資判断を推奨するものではありません。数値は日本経済新聞・NHK・共同通信・時事通信ほか各種報道機関の公表情報、および日本銀行の公表資料に基づくもので、2026年9月9日時点の情報です。今後の金融機関の発表・日銀の金融政策決定会合の結果により内容が変動する可能性があります。試算例は一定の仮定に基づく参考値であり、実際の返済額・総返済額を保証するものではありません。金利の適用時期・見直しルールは金融機関および契約内容により異なるため、実際の借入条件はご自身の契約書・金融機関の案内でご確認ください。当サイトは金融商品取引業(投資助言業)の登録を受けておりません。

🤖 AI生成コンテンツを含みます。数値は日本経済新聞・NHK・共同通信・時事通信ほか各種報道機関の公表情報および日本銀行の公表資料に基づきます(2026年9月9日時点)。最新情報は各金融機関・日本銀行の公式サイトをご確認ください。