資産運用・米国株

AI・ハイテク株が急落、この先は?
米中のAI競争と国防から考える
「下がり続ける」と決めつけられない理由

2026年11月4日読了約17分Life Asset FP編集部
AIや半導体の関連株が、大きく下がっています。米国のハイテク株を代表するナスダック100指数は、10月6日の最高値から10%以上下がり、2026年で3回目の「調整局面」に入りました。半導体株の指数は、6月の最高値から約3割下がっています。11月4日には米中間選挙で民主党が勝った影響も重なり、日経平均も一時2,000円を超えて下がりました。

「AIはバブルだったのか」「このまま下がり続けるのか」と不安に思う人も多いはずです。

この記事では、なぜ今下がっているのかを整理したうえで、米国と中国のAI競争や国防という大きな流れから見ると、AIへの投資が簡単には止まりにくい理由を説明します。ただし、それは「株価がすぐ戻る」という意味ではありません。2000年のITバブル崩壊の教訓もあわせて、両方の面から考えます。

今、何が起きているのか(数字で確認)

指標動き
ナスダック10011月2日終値 27,989.82。10月6日の最高値(31,224.47)から約10.4%下落。2026年で3回目の調整局面
ナスダック総合(10月30日)1日で2.9%下落。約5か月ぶりの大きな下げ
フィラデルフィア半導体株指数11月2日時点で、6月22日の最高値から29.4%下落
エヌビディア2026年の高値から約17%下落(11月2日時点)
日経平均(11月4日)一時2,000円超下落。終値62,188円(−893円)。半導体・AI関連が重荷

「調整局面」とは、一般に直近の高値から10%以上下がった状態を指します。20%以上下がると「弱気相場」と呼ばれます。半導体株の指数は、すでにその水準を大きく超えて下がっています。

なぜ下がっているのか:4つの理由

① AIにかかるお金を「借金」でまかなう動きへの不安

AIの開発には、巨大なデータセンターと大量の半導体が必要です。報道によると、AIに大きな投資をしている企業は、2026年だけで少なくとも2,140億ドル(約33兆円)を借り入れています。2025年1年間の830億ドルから157%の増加です。米オラクルが、AIの設備投資のために株式と社債で計200億ドルを調達する計画を出すと、同社の株は1日で8%下がりました。

「投資したお金を、本当に回収できるのか」という疑問が、市場で強まっています。

② 決算が期待に届かなかった

10月30日には、米アマゾンの決算が市場の期待に届かなかったことをきっかけに、AI関連株が大きく売られました。AIへの投資は増えているのに、売上の伸びがそれに追いついていないという見方が広がっています。

③ 金利が高い

米国の長期金利は高い水準が続いています。金利が高いと、将来の成長に期待して買われるハイテク株は、売られやすくなります。また、借金で投資を進める企業にとっては、利払いの負担が重くなります。

④ 中間選挙の結果

11月3日の米中間選挙で、民主党が上下両院を制す見通しになりました。米CNBCは、データセンターの建設を制限する動きが広がるとの見方から、AI関連株の売りが強まる可能性を指摘しています。選挙の詳しい内容は、中間選挙の記事にまとめています。

それでもAI投資が止まりにくい理由①:企業の投資計画

株価は下がっていますが、企業のAIへの投資計画そのものは、今のところ減っていません。米国の大手4社(アマゾン・マイクロソフト・アルファベット・メタ)が2026年に予定している設備投資は、各社の発表をまとめた集計で合計7,200億〜7,400億ドル程度とされています。

企業2026年の設備投資の計画(集計値)
アマゾン約2,200億ドル(引き上げ)
アルファベット(グーグル)1,950億〜2,050億ドル
マイクロソフト約1,700億ドル
メタ1,350億〜1,450億ドル

さらにアルファベットは、2027年の設備投資を「大幅に」増やす見通しを示しています。証券会社の中には、大手各社の2027年の設備投資が合計で1兆ドルに近づく、または超えるという予想もあります(あくまで予想です)。

つまり、「株価が下がっている」ことと「AIへの投資が止まっている」ことは、別の話です。今の下落は、「投資は続くが、それに見合う利益がいつ出るのか」という期待の修正の面が大きいと考えられます。

ただし:投資の計画は、各社の判断でいつでも見直されます。借金への不安が強まったり、利益が出ない状態が長く続いたりすれば、計画が縮小される可能性もあります。

理由②:米中のAI競争と国防

AIへの投資が簡単には止まりにくい、もう一つの大きな理由が、米国と中国の競争です。AIは、もはや一企業のビジネスの話だけではなく、国の安全保障(国防)にかかわる技術と位置づけられています。

AIは「国力」と「軍事力」に直結する

米国防総省は、無人機(ドローン)の運用や、戦場での判断を助けるシステムなど、軍事分野でのAIの活用を進めているとされています。軍事の専門家からは、米中の軍事AIの差が、予想より速く縮まっているという声も出ています。

米国政府は、最先端のAI半導体や製造装置が中国に渡らないよう、輸出規制を段階的に強めてきました。2026年1月には、性能の基準を見直して審査を厳しくする新しいルールも出されています。これに対して中国は、レアアース(電子部品などに欠かせない資源)の輸出規制を強めるなど、対抗しています。

規制だけでは差は守れない

米国の研究機関ブルッキングス研究所は、輸出規制は中国のAI開発を短期的には遅らせたものの、中長期的には中国の半導体の自国開発を加速させる可能性があると指摘しています。英国の王立国際問題研究所(チャタムハウス)も、規制だけでは中国のAIの進歩は止められないとしています。

規制で相手を止められないなら、自分が先に進み続けるしかない。
それが、米国がAIへの投資をやめにくい理由の一つです。

もし米国の企業がAIへの投資を大きく減らせば、中国との差が縮まり、安全保障上のリスクが高まるという考え方があります。トランプ政権は2025年に「AI行動計画」を出し、AIで世界をリードすることを国の目標に掲げてきました。中間選挙で議会の多数派が変わっても、「中国にAIで負けない」という点は、共和党・民主党の両方に共通する考えとされています。データセンターのルールの中身は変わるかもしれませんが、AIの開発そのものをやめる方向には向かいにくいと考えられます。

ここまでのまとめ:企業の投資計画と、米中の競争・国防という2つの面から見ると、AIへの投資そのものが近いうちに止まるとは考えにくい状況です。この意味で、「AI関連は、もう下がり続けるだけだ」と決めつける理由も弱いと言えます。

忘れてはいけない教訓:ITバブル崩壊

一方で、「技術が本物であること」と「株価がすぐ戻ること」は、別の話です。それを教えてくれるのが、2000年のITバブル崩壊です。

出来事内容
ナスダック総合の最高値2000年3月:5,048
その後の底2002年10月:約1,114(約78%下落)
最高値を回復2015年(約15年後)

インターネットは本物の技術で、その後、私たちの生活を大きく変えました。当時、株価が90%以上下がった会社の中から、のちの巨大企業も生まれています。それでも、指数が元の高値に戻るまでには約15年かかり、途中で多くの会社が消えていきました。

今回の下落がITバブルと同じになるかは、分かりません。当時と比べて、今の大手ハイテク企業は本業でしっかり利益を出しているという違いもあります。ただ、「必ず戻る」とも「必ず下がり続ける」とも言えないのが、正直なところです。

個人の投資家はどう考えればいいか

AIの将来性を信じることと、自分のお金をどう守るかは、分けて考えることが大切です。

積立を続けた場合の資産の推移を確認

毎月の積立額・利回り・期間を入れて、将来の資産額の目安を試算できます。

資産運用を試算する →

新NISAとiDeCoの使い分けを確認

非課税の枠をどう使うと、税金がどれだけ違うかを比べられます。

NISA・iDeCoを比較する →

よくある質問

Q. AIはバブルだったのですか?

A. 専門家の間でも意見が分かれています。AIの技術や企業の投資は本物で、続いている一方、株価がそれ以上に先回りして上がっていた面もあります。「技術は本物だが、株価は行き過ぎていた」というのが、ITバブルの時と共通する見方の一つです。

Q. このまま下がり続けますか?

A. 誰にも分かりません。企業のAI投資の計画や、米中の競争・国防の面から見ると、AIへの投資が近いうちに止まるとは考えにくい状況です。その意味で、下がり続けるだけだと決めつける理由は弱いと言えます。ただし、ITバブルの時のように、株価の回復に長い時間がかかる可能性もあります。

Q. 今が買い時ですか?

A. この記事は、売買のタイミングや特定の銘柄・商品をすすめるものではありません。株価の底を当てることは、専門家でも難しいとされます。投資するかどうかは、目的・期間・生活防衛資金の状況をふまえて、ご自身で判断してください。

Q. 日本の株にはどう影響しますか?

A. 日経平均は、半導体や AI に関連する一部の銘柄の影響を大きく受けます。11月4日には、3つの銘柄だけで日経平均を約1,241円押し下げた時間帯がありました。日経平均の動きが、日本企業全体の動きと同じとは限らない点に注意が必要です。

Q. 中国との競争は、日本にも関係ありますか?

A. あります。日本には、半導体の製造装置や材料で世界的に強い企業が多くあります。米国の輸出規制や中国のレアアース規制は、こうした企業の業績や株価にも影響します。

AIは、これからの社会と国の安全を左右する技術です。だからといって、関連する株の値段が一直線に上がるわけではありません。大きな流れを信じることと、自分のお金を分散して守ることは、両立できます。不安なときほど、まず自分の資産の配分を確かめるところから始めましょう。

FP
Life Asset FP編集部

住宅ローン・資産運用・老後資金・金融政策の読み解きなど、暮らしに直結するお金の知識を発信しています。特定の金融商品の販売・仲介は行っておりません。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・借り換え・投資判断を推奨するものではありません。数値は米CNBC・Yahoo Finance・ブルッキングス研究所・チャタムハウス・各社の投資計画をまとめた集計・財経新聞ほか各種報道に基づく、2026年11月4日時点の情報です。企業の投資計画は集計値で、今後変更される可能性があります。将来の株価・為替・政策を予測・保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。当サイトは金融商品取引業(投資助言業)の登録を受けておりません。

🤖 AI生成コンテンツを含みます。数値は各種報道機関・研究機関の公表情報に基づきます(2026年11月4日時点)。最新情報は各報道機関・公的機関の発表をご確認ください。