「株価が上がっている今、乗り遅れないうちに新NISAを始めるべきでしょうか?」という相談をよくいただきます。気持ちはよくわかります。ただ、FPとして正直に言うと、始めるかどうかの判断基準は「株価」ではなく「家計の状態」です。
1. まず確認するのは株価ではなく家計の余力
新NISAを始める前に、最初に確認してほしいのが「生活防衛資金」の有無です。一般的には生活費の3〜6ヶ月分を現金で手元に置いておくことが基本とされています。この防衛資金があれば、万が一のときにNISA口座を慌てて解約する必要がなくなります。
以下の3つが揃っていれば、株価が高い今でも積立を始める準備が整っています:
- 毎月の収支が黒字になっている
- 預貯金が生活費の3ヶ月分以上ある
- 急な出費があっても積立額を調整できる
2. 一括投資より続けられる積立が家庭向き
株価が上がっているとき、「今すぐ大きく入れた方が得では?」と考える方もいます。しかし一般の家庭にとって、一括投資よりも毎月少額を続けることの方がリスクが低く、長く続けやすいのが現実です。
積立投資(ドルコスト平均法)の最大の利点は、価格が下がったときに多く買える仕組みになっている点です。高値でスタートしても、その後下がった時期にも買い続けることで、長期的に平均取得価格を落とすことができます。
💰 少額積立のすすめ
月5,000円〜10,000円から始めて、家計に余裕ができたら増額する方法が、無理なく続けやすいです。最初から満額(月3.3万円)を入れる必要はありません。
3. 上がった時ほど目的を決めておく
投資を続けるうえで一番大切なのは、「何のためにお金を増やしたいのか」という目的の明確化です。株価が上がっているときは気持ちが盛り上がりやすいですが、下がったときに目的が曖昧だと売りたくなってしまいます。
よくある目的の例:
- 教育費:子どもが大学入学する〇年後に〇〇万円
- 住宅購入:頭金として〇年後に〇〇万円
- 老後資金:60歳までに2,000万円の資産形成
目的と期間が決まれば、毎月いくら積み立てればよいかが計算できます。それが「今の家計で無理なくできる金額かどうか」が、スタートの判断基準になります。
FPとしての答え
「株価が高い今、新NISAを始めていいですか?」という問いへの私の答えは次の通りです:
- 家計に余力がある方→ 今すぐ少額から始めてください。株価より「始めるかどうか」の方が長期的な影響が大きいです。
- まだ家計の余力が不安な方→ まず固定費の見直しから。毎月の黒字を作ることが最優先です。