書籍紹介・資産形成

『THE WEALTH LADDER
富の階段』とは?
6段階の資産形成戦略をFPが解説

2026年7月読了約13分Life Asset FP編集部
2025年11月にダイヤモンド社から出版された『THE WEALTH LADDER 富の階段』(ニック・マジューリ著)が、資産形成に関心のある読者の間で話題になっています。

著者は、日本で20万部を突破したベストセラー『JUST KEEP BUYING』の著者としても知られる、Ritholtz Wealth Managementの最高執行責任者(COO)兼データサイエンティストです。

この記事では、出版社の公開情報や複数の書評をもとに、本書が提唱する「純資産6段階のフレームワーク」と、そこから見える資産形成の本質を、FPの視点でわかりやすく紹介します。

『富の階段』はどんな本か

『THE WEALTH LADDER 富の階段』は、著者のニック・マジューリ氏が、50年以上にわたる数万世帯分の家計データを分析し、資産が増えていく人に共通する行動パターンと、陥りがちな落とし穴を明らかにした一冊です。

タイトルの「階段(ladder)」が示す通り、本書の核心は「資産は直線的にではなく、段階(レベル)を追って増えていく」という考え方にあります。そして、資産が豊かさの実感(幸福感)に与える影響も、金額に比例して直線的に増えるのではなく、段階ごとに変化するとされています。

「富(Wealth)」とは、本書では純資産=すべての資産からすべての負債を差し引いたものを指します。年収の多寡だけでなく、貯蓄・投資・借入まで含めた「今、手元に残る価値」で資産レベルを測るのがポイントです。

核心コンセプト:純資産6段階のフレームワーク

本書では、純資産額に応じて6つのレベルが定義され、それぞれで集中すべき戦略が異なるとされています。原著はドル建てですが、目安として円換算した金額とあわせて紹介します。

レベル純資産の目安(円換算)戦略の焦点
レベル1〜約150万円生存戦略:支出管理・収入確保
レベル2約150万円〜1,500万円教育&スキル戦略:自己投資・キャリアアップ
レベル3約1,500万円〜1億5,000万円投資戦略:インデックス投資・不動産等の資産運用
レベル4約1.5億円〜15億円起業戦略:事業を興す・売却する
レベル5約15億円〜150億円事業拡大戦略
レベル6約150億円〜資産防衛戦略

円換算額は為替レートによって変動する目安であり、正確な基準は原著(ドル建て)をご確認ください。多くの読者にとって身近なのは、レベル1〜3の範囲だと考えられます。

興味深いのは、レベルが上がるごとに「必要な行動」が質的に変わっていく点です。レベル1では生活を安定させることそのものが最優先課題であり、レベル2では自分自身の市場価値を高める学習・スキルアップが効いてきます。レベル3に到達して初めて、投資による資産運用の比重が本格的に増していく、という順序立てになっているのが本書の特徴です。

最大の発見:レベルによって「効くもの」が違う

本書の中でも特に注目されているのが、「資産レベルによって、資産形成に効く要素(レバー)が変わる」という指摘です。

レベル2からより上のレベルへ移行する世帯の多くは、その原動力を投資リターンではなく「より高い収入」と「規律ある貯蓄」から得ている——本書はデータに基づいてそう指摘します。

特に純資産がまだ大きくない段階(レベル1〜2)では、「人的資本」こそが最大の投資対象とされます。キャリアの選択、学習、資格取得といった自己投資が、将来の収入を通じて複利的に効いてくるという考え方です。

一方で、ある程度の資産規模(レベル3以降)に達すると、資産運用そのものの重要性が増していきます。そしてさらに大きな資産の飛躍(レベル4以降)を目指す場合、従来の「働いて貯めて投資する」という戦略だけでは限界があり、事業を興す・拡大する・売却するといった動きが必要になるとされています。

「とにかく積立投資をすればお金持ちになれる」という単純な話ではなく、今の自分がどのレベルにいるかによって、優先すべき行動が変わるというのが本書のメッセージです。

日本の読者にとっての示唆

2024年に始まった新NISAをはじめ、日本でも「投資をすればお金持ちになれる」というイメージが広がりやすい環境にあります。しかし本書の指摘を踏まえると、多くの人にとって、まず効果が大きいのは投資よりも「収入を増やすこと」「貯蓄率を上げること」である可能性があります。

本サイトでこれまで取り上げてきた、2026年春闘の賃上げ(前年比5%超え)や、確定申告と社会保険料の関係なども、まさに「収入」と「手取り」に関わるテーマです。投資の前に、まず自分の収入・手取り・貯蓄率を正確に把握することが、本書の考え方とも一致する第一歩と言えるでしょう。

レベル別・今すぐできること

本書の考え方を踏まえ、多くの読者に当てはまるであろうレベル1〜3を中心に、今日からできることを整理しました。

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よくある質問

Q. この記事は書籍の全訳・詳細な要約ですか?

A. いいえ。この記事は、出版社の公開情報や複数の公開書評をもとに、本書の核心的なコンセプトを紹介したものです。具体的な事例やより詳しい戦略については、書籍本体をご確認ください。

Q. レベルの金額はぴったりこの通りに考えていいですか?

A. 目安として捉えてください。原著はドル建てで示されており、円換算額は為替レートによって変動します。また、家族構成や年齢、地域による生活コストの違いも考慮する必要があります。

Q. 投資よりも収入や貯蓄が大事、ということは投資をしなくていいのですか?

A. そうではありません。本書が指摘しているのは「資産形成の初期段階では、投資収益より収入・貯蓄の影響の方が大きい」という相対的な話です。早くから投資を始めること自体には、複利効果という別のメリットがあります。収入・貯蓄・投資は対立するものではなく、段階に応じて重視するバランスが変わる、と理解するのが適切です。

Q. 前作『JUST KEEP BUYING』とはどう違いますか?

A. 前作『JUST KEEP BUYING』は「収入が入るたびに、とにかく淡々と投資し続ける」という、シンプルで実行しやすい積立投資の考え方を提示したベストセラーです。今作『富の階段』は、その延長線上にありながら、「すべての人に同じ戦略が最適とは限らない」という視点を加え、資産レベルごとに最適な戦略が異なることを提示している点が大きな違いとされています。一つの正解を示すのではなく、今の自分の立ち位置に応じた戦略を選ぶための「地図」を提供する内容と言えます。

まとめ

『THE WEALTH LADDER 富の階段』は、「資産形成には、レベルに応じた優先順位がある」という視点を与えてくれる一冊です。

いきなり大きな投資リターンを狙うのではなく、まず自分の収入と手取り、貯蓄率を正確に把握し、レベルに合った戦略を選ぶこと。それが、遠回りに見えて実は一番の近道かもしれません。

本書の詳しい内容にご興味を持たれた方は、ぜひ書籍本体を手に取ってみてください。当サイトでは、まずご自身の「今」を把握するための手取り計算・資産運用シミュレーターをご用意していますので、あわせてご活用ください。

FP
Life Asset FP編集部

住宅ローン・資産運用・老後資金・話題の書籍紹介など、暮らしに直結するお金の知識を発信しています。特定の金融商品の販売・仲介は行っておりません。

⚠️ 本記事は、書籍『THE WEALTH LADDER 富の階段』(ニック・マジューリ著、児島修訳、ダイヤモンド社、2025年11月刊)について、出版社の公開情報および複数の公開書評をもとに要点を紹介したものであり、書籍の全訳・完全な要約ではありません。当サイトは同書の出版社・著者と提携関係にはありません。円換算額はあくまでも目安であり、正確な内容は書籍本体をご確認ください。本記事は特定の金融商品・投資判断を推奨するものではなく、投資には元本割れのリスクがあります。当サイトは金融商品取引業(投資助言業)の登録を受けておりません。

🤖 AI生成コンテンツを含みます。書籍情報はダイヤモンド社の公式サイトおよび公開書評に基づきます。最新情報は出版社公式サイトをご確認ください。