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「月の返済額は変わってないから大丈夫」は危ない|地方在住・戸建て42歳Aさんの住宅ローン実態

📅 2026年5月26日 ⏱ 約6分で読めます 👨‍💼 ライフアセットオフィス FP

📋 目次

「月の返済額は変わってないから大丈夫」

——変動金利が上がっても、そう思っていませんか?

実はこれ、危ないかもしれません。

地方在住・戸建て・42歳・子3人のAさん(借入2,700万円・30年ローン)のケースを元に、見えにくいリスクの正体と具体的な対策をFP目線で整理します。

この記事の対象読者: 地方在住で戸建てを購入し、JA・地銀・信金などの変動金利ローンを組んでいる30〜50代の方。借入2,000〜3,000万円台のケースに特に当てはまります。

「大丈夫」の正体——5年ルールの落とし穴

変動金利が上がっても月の返済額が変わらないのは、「5年ルール」という仕組みがあるからです。

5年ルールとは

金利が変わっても、毎月の返済額は5年間据え置きになるルール。さらに返済額を変更する場合でも、前回の1.25倍が上限(125%ルール)。

つまり「月の返済額が変わっていない」のは保護されているからではなく、単に変更が先送りされているだけです。

落とし穴: 返済額が変わらないまま金利が上がると、毎月の支払いのうち利息の割合が増え、元本の減りが遅くなります。 気づかないうちに、残高が長く残り続けるのです。

Aさんの実態:元本が減っていない

本人42歳・会社員
居住地地方在住・戸建て
年収600万円
配偶者パート・年収60万円
子ども3人(中1・小学生×2)
借入2,700万円・30年(35歳〜)
現残高約2,120万円・残23年
完済予定65歳

Aさんの金利は借入時0.75%から現在1.05%、今年7月には1.35%になる予定です。月の返済額は5年ルールで今のところ変わっていません。しかし内訳はこう変わっています。

金利月返済額うち利息分(初月目安)元本返済分
0.75%(借入時)約83,700円約13,200円約70,500円
1.05%(現在)約86,500円約18,500円約68,000円
1.35%(7月〜)約89,500円約23,800円約65,700円

月々の元本返済額が70,500円→65,700円に減っています。差額は月4,800円。年間にすると約57,600円分、元本の減りが遅くなっている計算です。

金利が上がるほど「利息に取られる割合」が増え、元本が減りにくくなります。これが積み重なると、残高が予想より長く残ります。

最大のリスク——定年後も5年返済が続く

Aさんのローンは65歳完済の設計です。ところが定年は60歳。つまり繰上返済をしなければ、定年後も5年間、ローン返済が続きます。

7年後
〜7年後(49歳)
第1子が大学進学 → 教育費と金利上昇が重なるピーク
12年後
〜12年後(54歳)
末子が大学卒業 → 教育費ピーク終了。返済余力が回復
18年後
〜18年後(60歳・定年)
定年を迎えるが残ローン約520万円・あと5年残る
23年後
〜23年後(65歳)
ようやく完済。年金受給開始と重なる

定年後5年間の返済継続は家計の大きな負担です。 再雇用・パート・年金で月89,500円のローン返済を続けられるか、今から試算しておく必要があります。

繰上返済vs固定切替、どちらが得か

「金利が上がったから固定に変えよう」と飛びつく前に、コスパを比較してみます。

対策効果コストFP評価
繰上返済100万円(期間短縮) 総利息▲34万円・1年3ヶ月短縮 手数料ほぼ無料 ★★★★★ 最優先
固定金利へ切替(10年固定2.0%) 金利上昇リスクを回避 月+6,400円・総額+177万円増 ★★★☆☆ 要検討

固定に切り替えると安心感は得られますが、現在の変動1.35%に対して固定2.0%は差額0.65%分を「安心の保険料」として払い続けることになります。残23年・2,120万円では総額177万円の追加負担です。

FPの見立て: まず繰上返済で残高を圧縮し、定年時の残高を500万円以下にすることが最優先。固定切替はその後に検討しても遅くありません。

今すぐできる対策

月の返済額が変わっていなくても、元本の減り方は確実に変わっています。まず「今の残高と定年時の残高予測」を確認することが、対策の第一歩です。

【免責事項】本記事はモデルケースをもとにした一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・取引を推奨するものではありません。掲載数値はすべて概算です。実際の対策は、残高・金利条件・家計状況によって大きく異なります。
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